森のようちえん くりくり
~ 自然の中での暮らしを通して ありのままに のびのびと 子どもたちが豊かに育ちあう場所 ~
すべては子どもたちのために
森のようちえん くりくりは、森の中にある小さな保育園です。周りを囲む木々や川、虫や鳥などの自然すべてが子どもたちの先生。そんな森は、子どもたち一人一人が、ありのままの自分でいられる大切な場所です。
くりくりの森は、走りたい、木に登りたい、虫を捕まえたいといった子どもたちの多様な興味関心を全部受け止めてくれます。
人は本来、生まれながらにして学ぼう(遊ぼう)とする生き物。それができる環境さえあれば、大人が主導しなくても、子どもたちが主体的に遊びを展開していき、おもいっきり遊び込むことができるのです。
この時期に五感をフルに使った原体験をすることは、心身ともにバランスのとれた豊かな人間性を獲得することも知られています。
また、異年齢の子と一緒に過ごすこの空間では、教える、教わる、問題を自分たちで解決していくなどの姿が日常的に見られます。子どもなりに一生懸命に他者と関わろうとする様子は、とても微笑ましい光景です。
子どもたちは、雨降りの日でもカッパを着て森で過ごします。雨の森でも楽しいことがあるからです。冬の極寒の日は手足がかじかんで、心も体も弱気になって縮こまることもあります。しかしそんな体験をしたからこそ、近づく春の足音を全身で感じ、待ちわびることができるのです。
くりくりでは、スタッフ(大人)も子どもも立場は同じ一人の人間。基本的には子どもたちを見守ることがスタッフの役割です。くりくりはスタッフの「やりたい!」が実践できる場でもあり、子どもと共に、日々楽しく森で過ごしています。
そんなスタッフを間近に見て、子どもたちなりに大人への憧れを抱くようで、今までに「ぼくは大きくなったらくりくりのスタッフになる」そう言って卒園していった子もいました。
私たちの生活が便利になればなるほど、私たちは自然から離れていきます。自然から離れれば、それだけ「いのち」を感じにくく、見えにくくなります。このことによって起きるこれからの社会の変化は深刻です。
そうならないために大事なことは、「人と自然との関わり」「人と人との関わり」そして「人と社会との関わり」を見つめなおすことだと思います。
その原点となるのが幼児期の自然体験。自然の豊かな恵みを享受する自然とのふれあいは、生態系の一部である人間が、自然との共生への理解を深めていく最も基本的な行動といえます。このことは、未来への希望そのものです。
手前味噌で恐縮ですが、「くりくりに通う子どもたちは本当に幸せだな」と今思っています。スタッフと共に立ち上げた園をそう思えることがとても幸せです。これからも、森のようちえん くりくりが、子どもたち、そしてその保護者やスタッフみんなで育ち合っていける場所となるよう、楽しみながら取り組んでいきます。
そしてこれから先、子どもが子どもらしくいられる場所がもっと増えていくことを、切に望みます。
私たちの生活が便利になればなるほど、私たちは自然から離れていきます。自然から離れれば、それだけ「いのち」を感じにくく、見えにくくなります。このことによって起きるこれからの社会の変化は深刻です。